嘗てこのカルデラ湖には、長い首を持ち、甲羅とヒレを持つ巨大な竜『ガルグイユ』が棲息していたが、天空宮学園の教師と生徒によって討伐されている。

現在は、ここに竜種は不在とされていたが。

「見て…」

リィがしゃがみ込む。

岩盤にも残るような、巨大な足跡。

「まだ新しい…ここを通った竜種がいる…」

流石は星を巡る旅を経験したリィ。

生物のトラッキング(追跡)の要領を心得ている。

この足跡がバラウールのものかは分からないが、近くに竜種がいるのは間違いないらしい。

「追うぞ…孔雀、先頭は俺に代わってくれ」

魔物との戦闘経験があるシンが、一行の先頭に立つ。