「攫って行く?」

霸龍闘が弾かれるように顔を上げた。

「じゃあ野菊は連れ去られただけか?まだ食われちまった訳じゃないのかっ?」

「ああ…バラウールは、餌を巣穴まで持ち帰る習性があるって話だしな…」

霸龍闘の言葉にまたも頷く狩猟者。

瑠璃一味は顔を見合わせる。

野菊はまだ生きている。

ならば選択肢は一つだけだった。