その叫び声が仇となったのか。

「――――――ッッ！」

ドラゴンは砂埃の中で咆哮を上げる！

舞い上がる砂埃が吹き飛ばされ、新たな砂埃が更に舞い上がるほどの、空気を震動させる咆哮。

「くっ…親父並の咆哮かよっ…！」

臥龍の血を引く龍之介でさえ、その咆哮には体が委縮してしまう。

熟練の地元冒険者でも耳を塞いで動きを止めてしまうほど大音量の咆哮を放つ。

生態系の上位に存在する種族。

それがドラゴン…天空宮市で言う所の竜種だった。

天神学園で幅を利かせている瑠璃一味の面々でも、誰一人としてその咆哮を耐え凌げる者はなく。

「ひっ！」

その眼が霸龍闘を捉え、大顎を開いて襲い掛かってきた瞬間。

「霸龍闘君っ！」

委縮した体を無理矢理に動かし、間に割って入ったのは何と野菊だった！