「そろそろ全員集まったかな？」

ハンドポケットのまま、学園長が校庭を見渡す。

「それじゃあ早速天空宮市に向かおうか。皆、なるべく一塊になってくれるかい？」

学園長の指示で、密集するように集まる生徒達。

そんな彼らを囲むように、校庭に浮かび上がる半径50メートルほどの巨大な魔法陣！

「むん…」

学園長は右手を掲げ、ギュッと拳を握りしめる。

「魔法陣の外に出ないでくれよ？転移魔法陣だから。転移中に魔法陣から出たら、どこか訳の分からない世界に飛ばされてしまうよ？」

即ち次元の迷子だ。

そんな事になったら、二度と天神地区のある世界には戻れなくなるかもしれない。

「それじゃあ、行くよ」

握りしめた拳を振り下ろす学園長。

拳に蓄積されていた魔力が地面の魔法陣に注ぎ込まれた瞬間、魔法陣は回転して眩いばかりの輝きを放つ！