「散々だったアルなぁ」

鬼龍が溜息をつく。

思えば本日のプール掃除、いの一番に濡れ鼠になったのは鬼龍だった。

霸龍闘にズボンを脱がされてお尻丸出しでプールでコケて…。

(恥ずかしい姿を見られたアル…)

頬を赤らめて瑠璃の横顔を見る鬼龍。

と。

「鬼龍」

瑠璃が彼女の膝を見た。

「擦り剥いているぞ。コケた時に怪我したんじゃないのか?」

「あ…」

見れば確かに、膝小僧に血が滲んでいる。

まるで腕白小僧だ。

ますます恥ずかしい鬼龍。

しかし。

「どれ…見せてみろ。手当てしてやる…龍娘先生、救急箱はありますか」

龍娘に声をかける瑠璃。

「や、いいアル瑠璃!こんなの掠り傷だし…」

「何を言っている、あんな汚い水の中で膝を擦り剥いたんだ、化膿でもしたら大変だろう…その…」

瑠璃は赤面して言いよどむ。

「龍娘先生譲りの美脚に何かあったら大変だ…」