「た、戯れてる場足じゃないアル、咲花」

胡乱な目をして鬼龍が言う。

「あ、そうでした」

ビチビチ尻尾を振って今や愛くるしい愛玩犬と化した野犬達を撫でながら、咲花が我に返る。

野犬に襲われる危険はなくなったものの、本来の目的は山子の退治だ。

「この子達なら、山子のいる場所知ってるかもしれません」

咲花が野犬を見る。

「案内してもらえるのか?」

「ええ、狼とワンコなら、種族が近い分、意思の疎通も少しは出来ますから」

シンの言葉に咲花は頷いた。