瑠璃一味のお戯れな学園生活

草を掻き分け、地面に落ちた枯葉を踏みしめ、複数の獣が素早く接近してくる足音。

木々や草のせいで視界が悪く、何が近づいてきているのかは、瑠璃達からは見えない。

だが、人狼の血を引く咲花の鋭い嗅覚が、その接近を確実且つ正確に捕捉していた。

「来ます!」

「くっ!」

抜刀する瑠璃とシン、身構える鬼龍。

前方から牙を剥いて突進してきたのは、飼い主に捨てられて野生化し、そのまま繁殖する事で、最早狼同然に凶暴になった野犬の群れだった。

獲物ならば人間でも厭わぬという本能を露わにしたように、野犬達は涎を垂らしながら瑠璃達に飛びかかり…!