温度熱めなのか、露天風呂は湯気が立ち込めている。

その為、はっきりとは姿が見えないが。

「鬼龍、スタイルいいよね、兄さん」

孔雀がのんびりと湯に浸かりつつ、そんな事を言う。

「胸も大きいし腰もくびれてるし、顔だってちょっと目がキツイけど美人の部類だし…僕より年下とは思えない抜群のスタイルだよ、ね、兄さん?」

「……何故俺にそんな話を振る?」

ギロリと父譲りの邪眼で弟を睨む瑠璃だが、孔雀はどこ吹く風。

「そんな事言って」

シンもニヤニヤ笑う。

「天神モールに行く時はついて来なかったくせに、温泉だとついて来るのな。鬼龍と混浴できるとか期待してたからじゃね?」

「なっ!違う!断じて違う!」

声を荒げる瑠璃。

「俺は斬鉄の修行疲れを癒すのも必要だと思ってだな!」