「雄哉さん、もうやめてよ! これ以上は、ダメ!」
「僕はもう後戻りはできないんだ! 一年前に母さんの日記を見つけてから、こうなることを望み、それを糧にして生きてきたんだ!」
雄哉がそう叫ぶと、美妃は拳銃を握っている彼に構わず、必死に彼の両腕を掴んでいた。
「本当に? 本当にこの一年間は、嘘だったの? たとえ、復讐が始まりだとしても、そうじゃない未来だって思い描いていたんじゃないの? あなたのあの笑顔に嘘なんて無かったじゃない…!」
「うるさい!」
雄哉は力任せに美妃の手を振りほどいたその時に、拳銃の引き金を引いていた。爆音とともに飛び出した鉛玉はそのまま直線上に立っていた雅臣の右肩に食い込んでいった。そのわずか後に、雄哉の手元を狙って佳美が拳銃を発射させた。彼の手にあった銃は、佳美の玉に当たりスピンしながら遠ざかっていく。それとほぼ同時に、雅臣は左手で撃たれた肩を抑えながら、膝からガクリと崩れ落ちた。その様子を悲鳴を上げながら間近で見ていた美妃の頭の中では、あの公園で起きた記憶と現実が重なっていたのだ。
「僕はもう後戻りはできないんだ! 一年前に母さんの日記を見つけてから、こうなることを望み、それを糧にして生きてきたんだ!」
雄哉がそう叫ぶと、美妃は拳銃を握っている彼に構わず、必死に彼の両腕を掴んでいた。
「本当に? 本当にこの一年間は、嘘だったの? たとえ、復讐が始まりだとしても、そうじゃない未来だって思い描いていたんじゃないの? あなたのあの笑顔に嘘なんて無かったじゃない…!」
「うるさい!」
雄哉は力任せに美妃の手を振りほどいたその時に、拳銃の引き金を引いていた。爆音とともに飛び出した鉛玉はそのまま直線上に立っていた雅臣の右肩に食い込んでいった。そのわずか後に、雄哉の手元を狙って佳美が拳銃を発射させた。彼の手にあった銃は、佳美の玉に当たりスピンしながら遠ざかっていく。それとほぼ同時に、雅臣は左手で撃たれた肩を抑えながら、膝からガクリと崩れ落ちた。その様子を悲鳴を上げながら間近で見ていた美妃の頭の中では、あの公園で起きた記憶と現実が重なっていたのだ。


