「…そうだね。僕が今まで兄さんにどの分野においても勝った試しはない。でも、今ここで兄さんの愛しい人を殺すことはできる」
「それは、無理だろう?」
「何故?」
感情的に叫ぶ雄哉に臆することなく、雅臣は拳銃を構える雄哉に近づいた。
「お前は、彼女を愛しているからだ。…そうだろ? 彼女を殺す機会はいつでもあったはずだ。でもお前は殺さなかった。いや、殺せなかったんだ」
真っ直ぐなあの切れ長な目で、雅臣は静かにそう言い放った。明かりの点いていないリビングの庭に面した大きな窓から月明かりが差し込み、その凛とした空間の中で、その声だけが響いていた。
「春日幸太郎が全ての元凶だった…。あの男が身ごもった母さんを捨てなければ、悲劇が生まれることなんでなかったんだ…!」
雄哉はそう叫ぶと、彼は美妃の頭に向けていた拳銃を握る力を強くした。すると、それに合わせて佳美も拳銃を構え、すかさず安全装置をガチャリと外し、雅臣に狙いを定めていた。
「…悪いけど、俺は死なないさ。何度でも這い上がり、お前の前に現れる。お前に罪を償わせるためにな。」
雅臣はゆっくりと雄哉との距離を縮め、ついには彼の目と鼻の先にまで近づいていた。
「それは、無理だろう?」
「何故?」
感情的に叫ぶ雄哉に臆することなく、雅臣は拳銃を構える雄哉に近づいた。
「お前は、彼女を愛しているからだ。…そうだろ? 彼女を殺す機会はいつでもあったはずだ。でもお前は殺さなかった。いや、殺せなかったんだ」
真っ直ぐなあの切れ長な目で、雅臣は静かにそう言い放った。明かりの点いていないリビングの庭に面した大きな窓から月明かりが差し込み、その凛とした空間の中で、その声だけが響いていた。
「春日幸太郎が全ての元凶だった…。あの男が身ごもった母さんを捨てなければ、悲劇が生まれることなんでなかったんだ…!」
雄哉はそう叫ぶと、彼は美妃の頭に向けていた拳銃を握る力を強くした。すると、それに合わせて佳美も拳銃を構え、すかさず安全装置をガチャリと外し、雅臣に狙いを定めていた。
「…悪いけど、俺は死なないさ。何度でも這い上がり、お前の前に現れる。お前に罪を償わせるためにな。」
雅臣はゆっくりと雄哉との距離を縮め、ついには彼の目と鼻の先にまで近づいていた。


