【短編】友達彼氏







「この傘借りたの、わざとでしょ」


「は、なんの話?」


「私と牧瀬をくっつけるために、わざと傘借りたんじゃないの」


「ははは、面白いこというね」



相変わらず、面白くなさそうに笑う。
でも、否定はしないんだ。



「ありがとう」


「なに?」


「加藤のおかげで、私たち、付き合うことになったから」


「は、なにいってんの?お前ら、ずっと付き合ってたじゃん」



どうにも加藤は、感謝されるのが苦手らしい。

加藤は冷めてる人。
というのは撤回。

本当は友達思いで、温かい人だった。
ただ少し、不器用なだけだ。