【短編】友達彼氏







どっくん




どっくん




どっくん




もはや、どちらのものかも分からないその音を感じながら、私は先刻口にした通り、じっとその瞬間を待った。
きっと、私が唇を突き出せば触れられる距離に、彼のそれはもうあるのだ。

微かに、額が触れ、鼻の先が触れ、その瞬間までのカウントダウンを始める。




ふわっ、



何か擬音で表すなら、それが一番しっくりくる。
唇に柔らかく温かいものが触れ、一瞬のうちに離れた。

ちゅ、なんていう音も鳴らないほどに、優しい。

キスって、こんな感じなんだ。



目を開けると、そこには既に目を開けた牧瀬がいた。