・・・・雨の音って、こんなに小さいんだ。
と、思うほど心臓の音がうるさい。
隣で時折牧瀬の肩に頭がぶつかる度に、この狭い傘の中で、この胸の音がバレてるんじゃないかと恥ずかしくなる。
さっきから、会話はない。
お互いに、次の言葉を探してる。
でも、牧瀬はきっと自分のことでいっぱいいっぱいで、まさか私がこんなにどきどきしてるなんて、気付いてないんだろうな・・・。
私もすこし前まではまさか自分が、それも牧瀬相手にどきどきすることになるなんて、考えもしなかった。
この体だけ、まるで違う誰かのもののようだ。

