すごく冷えこんだ。 だけど雪が降らない。 そんな日の夕方から私の波乱万丈の人生がはじまった。 未熟児で生まれてすぐに保育器に入れられた。 未熟児のくせにミルクは飲まない。 そしてなにより眠らない赤ん坊だった。 生まれたときから生きることに対して冷めていたのかもしれない。 小さい体ながら、 必死に生きることを拒否していたのかもしれない。 私を育ててくれた母親は、 ノイローゼ気味だった。