「あーもうひまだわー。」
私は神無月 楓(かんなづき かえで)。
「んー。ホンマやねー。」
今のは大親友の住友 菜七(すみとも なな)。
「ホンマ」とかいってるけどここは大阪ではなく福井県。ほんっとーに田舎です。
どーでもいいけど今ウチらはあそんでる(?)
「ねーグラウンドいこーよ」
「えーまたグラウンドォォ?」
「じゃあ楓ちゃんが意見いえや」
「え、あ、じゃあグラウンドで、、、」
「じゃあいこかー。でも今日スポ少でサッカーいるかも」
「んーまぁいこう」
スポ少ってのはスポーツ少年団の略である。
「菜七ちゃん。本当にいるねサッカー・・・」
「だからいったが。菜七んちからは、よ~くサッカーの声きこえるで」
まあ菜七ちゃんの家はグラウンド、つまり学校の隣だからね。
「相変わらず男子ってキモいわああ」
ウチらが住んでる金華(かねか)町は小学校が4つある。
北寿々(きたすず)小学校
小鳴(しょうめい)小学校
兵路(へいろ)小学校
みどり小学校の4つ。
ウチらは北寿々。
つうしょう『きたずー』。
そんなきたずーのグラウンドにウチらはスポ少のサッカー見るだけなのにいる。
まー楽しくはない。
「うわーなんなのあの変なゴーグルっぽいやつしてる人。キモッ」
「えーどこ?菜七、目悪いで見えん」
「あそこやってっっ!」
「うわっ本当だ。きもちわりー」
「きたずー民じゃないな」
きたずー民とは北寿々小学校の生徒のことである。
「まー明日前川とかにきいてみよー」
「うん。そうだね」
前川とはクラスの男子で、スポ少のサッカーをしている。
天然だが、ウチは大っっっ嫌い。
―次の日
「なあ前川、昨日のスポ少のサッカー見てたけどあの変なゴーグルしてた人だれ?」
「あーゆきてるか?」
「は?ゆきてる?」
「おう。吉川幸輝。みどり小やぞ?」
「え。ゆきてる。。。ゆきてる。。。」
「「あ!!!」」
「「ゆきてるがいきてる!!!!!」」
見事にきまった笑
だが、まあ男子は
「ゆきてるにいってやるぞー。あいつ怒ると怖いからな」
「えーなんでー」
「ちなみに他校のスポ少の奴なら大島ゆうきってやつがいるぞ。そいつは兵路」
「おおしまゆうこ~笑」
大島ゆうことは今人気絶頂のとあるアイドルのいわば顔みたいな感じの存在の人だ。
「ちげーわ。バーカ」
「でも<ゆきてる>って名前すごいねー」
ま、ウチらはなーんにも吉川君のことがわかっていなかった


第2章に続く