怖くて誰にも聞けない。


俺が変わってしまったのか、以前のままなのか。


悩んでいると俺の前には必ずあの影が現れる。


そんなのどうでもいいから、こっち向いてよ、と言うように。





「なぁ、携帯変えたことみんなに言った?」


ある日、潤が俺に突然そう尋ねた。


「みんなって言われても、俺分かんねぇし。

サッカー部とかクラスの奴とかにしか言ってねぇ」


「そっか」


俺が以前持っていた携帯は事故で粉々になったらしい。


データも何も残っていなかった。


親から新しい携帯をもらった。


空っぽの。


その時、ハッと気づいた。