「陵ちゃん!

良かった...!!」


ショートカットで白っぽい髪の毛。


白い肌と大きい目、薄い唇。


そして驚くほど細いからだ。


俺の首にしがみつく彼女はこの世界の人には見えなかった。


気がつくと、この子が出てきたドアの所に目を見開いた女の人が立っていた。


この子の母親だろう。


右腕で女の子を持ったまま、会釈をした。


「ねぇ、わたしのこと覚えてる?」


俺の中の女の子が俺に問うた。


...もしかしたら、君は俺の前にいつも現れる影なのかもしれない。