俺の頭の中は、以前は色々な記憶で溢れていたけど、今は空の器だ。 自分のことも、家族のことも覚えていない。 この間俺の傍で泣いていた人は俺の母親だそうだ。 それすら気づかなかった俺自身が何者だかわからなくて、ただ暗い気持ちになった。