しばらくして、白い服を着た人が2人、俺の傍にやってきた。



その内の一人が俺の上で泣く人をどこかへ連れて行った。



残った一人は俺に質問をし始めた。



「自分の名前が分かりますか?」



「名前...?」



俺の名前。


どうしたんだろう。


すぐそこまで出かかっているのに、それが何なのかが分からない。



何だ、何が起こってるんだ?



嫌な感覚が俺の中で生まれる。



「落ち着いて」



いつの間にかひとりでパニックに陥っていたらしく、目の前の人は俺の肩に手を置いて俺を落ち着かせる。