怖いほどに細い彼女の肩は俺の腕の中で震えていた。


今まで彼女に会うのが怖いと思っていた自分を恥じた。


本当は、詩織が一番心細かったはずなのに。


「詩織なら大丈夫。
...いつも、そうだったじゃん。」


「うん、ありがとう...」


その日、俺はいつもより長く彼女の傍にいた。



いつまでも不安そうな詩織を放っておけなくて。


彼女の夕飯の時間になるまで待ってから帰った。


今までで一番長いあいだ病院にいた。


詩織は数日後に手術を受けると言った。


毎週ここに来ていたのに、直前まで言わなかった辺りが詩織らしいと思った。



「明日もできたら来るよ」


別れ際、そういうのが精一杯だった。