「わたし、手術受けるね」



俺がお土産を探し当てたと同時だった。


しゅじゅつ...手術...


詩織の口から発せられた音が、俺の頭で漢字変換されて、ぐるぐる回りだす。



「うん」


やっとの思いで答えた言葉はなんだか残酷に聞こえた。


最低な俺。


うん、としか答えられない。


「はは、重くならないでよ。
...だいじょ、ぶだから......」



とか言いながら、泣いてるし。


だけど何もできない。


ただ、抱きしめてあげることしか。


ほらね、俺は酷い男だ。