俺は幼馴染の病気について詳しく知らない。



知りたくなくて、ちゃんとした説明を聞いていないだけだけど。





飯田詩織。



それがこいつの名前。


初めて喋ったのはいつだか分からないほど昔。


昔から家族ぐるみの付き合いで、親も、俺たちの姉たちも仲が良かった。


だから、気づいたらよく遊んでいて。


だけど今までずっと同じだったわけではない。


俺は近所の幼稚園に通っていて、詩織は駅近の保育園。


小学校はお互いがちょうど学区の境目に住んでいたから、別々。


中学になって初めて同じ学校に通った。


色白で、洋風の顔立ち、細い手足。


まるでみんなの理想のような詩織はよくモテた。