鏡の中の彼女

休憩室につくと、幼馴染は俺を先に入らせて、



「座って座って」



とにこにこしながら言う。



陽の当たる部屋の、ふかふかしたソファ。



まるで病院とは思えない場所。



だけど、隣に座る幼馴染は明らかに病人。



それだけが俺の居場所を知らせてくれるようだ。



「陵ちゃん、痩せた?」



痩せたのは俺じゃなくておまえだろ、と心の中で返す。



死んでも言わないけど。



そんなこと言ったらこいつは悲しむに決まってる。