夏のカケラ

奥野はしばらく黙っていたが、


「お前は・・・知ってるのかと思ってたよ・・・」


そう言うと奥野は頭をかいた。


「・・・最後の試合前に・・・俺と七瀬・・・デートしただろ・・・」


それは知ってる。


「あれ・・お前らには七瀬から誘われた・・・って言ったけど・・・違うんだよ・・・」

「?!」

「あれは・・・俺が誘ったんだ・・・しかも交換条件をつけてな・・・」


僕はまた混乱してきた。


「俺、あの時、怪我をしただろ・・・でも、無理すれば試合に出れない怪我じゃ無かった・・・」


奥野は川の方に目を向けた。


「でも・・俺はそれを使って、七瀬にデートを申し込んだんだよ・・・」