夏のカケラ

他のメンバーも同様であった。


アキラは父親の会社の社長が高校野球好きで、社員一同で甲子園に行くと言い出したそうだ。


カズは彼女で有る古田の父親が期待をしていると言われたらしい。


とにかく、みんながそれぞれプレッシャーを充分に受けていた。


「おい、木山!代表全てのデータは集まりそうか?!」

「今から、視聴覚室でテープをまとめます!」

「ケン!本気で投げ込め!甲子園にはお前みたいな奴はゴロゴロいるんだ!」

「守備を固めるぞ!しっかり守れ!」


様々な声が飛び交う。


戸坂が困った顔をしていた。


「ヒロさん・・・俺、頭の色、戻した方が良いっすか?」

「どうした?」