夏のカケラ

9番のケンが打席に立つ。


「頼むぞー!ケン!」

高津は思い切り叫んだ。

吾妻はジッとグランドを見つめている。


石田は目を閉じて、手を合わせ祈り始めていた。


三年前・・・


こんな日が来るとは思わなかった・・・


だけど・・・お前らは頑張って来たんだ・・・!


あと少しだ・・・頑張れ・・・!


ケンはファールで粘り、8球目の明らかなボールを見送って、フォアボールで出塁する。


「よし!!」

黙っていた吾妻が叫んだ。


その手は握り拳が作られていた。


よし・・・!


ノーアウト、ランナー1塁、2塁だ・・・!