夏のカケラ

僕がボールを掴んだ時には、既に三塁ランナーは生還していた・・・


バッターの西宮も、振り逃げで一塁ベース上にいる。


僕はボールを掴み、ボー然としていた・・・


スコアボードには、6点の表示が有る。


駄目押しの一点が追加されてしまったのだ・・・


6回の表、6対1。


僕らは、生野のエースの伊丹を捕まえ切れていない。


あの1点も、偶然の産物だ・・・


5点差・・・


この差は・・・でかすぎる・・・


全員の心に、その思いが渦巻いている。


アキラが空を見上げた。


カズが帽子で顔を押さえている。