夏のカケラ

ワンナウト、ランナー満塁。


バッターは四番の西宮であった。

コイツは、さっきの打席で三塁打を打っている。


怖いバッターだ・・・しかも、嫌な場面で・・・

とにかく、僕はコースを突かせる。

上手く、ファールボールを打たせて、ツーストライクと追い込んだ。


チャンスだ・・・


ナックルを投げさせよう・・・!


ツーストライクだ・・・


上手くストライクに入ればコイツは振って来る・・・!

僕のサインにムネオが頷いた。

セットポジションから、ムネオが投げた・・!


ボールは打者の西宮の手前で大きく揺れ始める。


来た!ストライクだ!