夏のカケラ

鬼塚はニヤッと笑った。


予定通りだ。

角田が出て来た。

緒方の速球に慣れた今、逆に角田の球は怖く無い・・・


そして、一度打たれて下がったエースは使い物には成らない・・・


桜川さん・・・

ミスですよ・・・!

鬼塚はベンチの奥で、ほくそ笑んだ。







「狙いを定められていたな・・・」

山城社長はテレビを見ながら呟いた。

友和は振り返り社長を見た。

「まずいな・・・こういう流れは・・・良くない」

社長も友和も、そのまま黙ってテレビを見つめていた・・・・