夏のカケラ

学校の奴らも、僕がランナーを背負った時の強さを知っている。


「ランナーズ・ハイ」


と言う看板が、応援席に飾られた。


僕の知らない所で、訳の分からないあだ名が付けられている。

応援歌がランナーだ。


僕はゆっくりとした動作で、バットを回し構えた。


大歓声が少しづつ遠く成って行く。


そして静寂に成った・・・


ピッチャーの息が荒い。


大分疲れている。


ピッチャーの手からボールが離れた・・・


これは、ボール・・・!


思った通り、球はベースを逸れてキャッチャーのミットに入る。

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