夏のカケラ

そして、9回の表。


ツーアウト、ランナー二塁の場面で三番の僕に打順が回って来た。

打席に向かう前に、四番のアキラが僕に声を掛ける。


「美味しい場面だなぁ・・・くそ!」


アキラが悔しがっている。


「たまにはキャプテンらしい事をさせてもらうよ!」


そう言って僕は笑いながら打席に向かった。


打席に立つと、二塁のケンが親指を立てた。


任せておけよ・・・!


僕はランナーを背負った時、以上に打率が高い。

マイ曰く、打率が9割近いらしい。


アキラもケンもそれを知って、安心している。

ピッチャーが構える。