夏のカケラ

全員がグランドの方を見ると、驚きの表情を見せた。


そこにはニ、三年の全員が練習をしている。


しかも昼間の練習よりハードな練習だ。


西山は口を開いたまま、ボー然としている。


他の一年生もジッと見たまま動かない。


先輩達は一年生に全く気付かない。


それだけ集中しているのである。


「・・確かに、名門は設備が整っている・・・」


戸坂が呟いた。


「けど・・・あの人達は・・・だからこそ負けたく無いんだろ・・・」


戸坂の言葉に全員が下を向いた。


みんな何も答える事が出来ない。