夏のカケラ

「あ・・・いや・・・そう言う訳じゃ・・・」

西山が口ごもる。


クロは立ち上がって、夜空を仰いだ。


「・・・俺は・・ずっと嫌だった・・・」


クロの呟きに、みんながクロを見る。


「・・だけどな・・・」


クロは空を見たまま続けた。





「・・負ける方が・・・もっと嫌だぞ・・・!」





クロの言葉に全員が俯く。


みんなが沈黙している。


夜空はさっきまでの雨が嘘の様に晴れ上がっていた。