夏のカケラ

「ッテ!何するんスか!」

戸坂がカズを睨む。


「ニワトリ小僧」

カズが構えて、戸坂に言う。

「あん?」


「お前は確かに上手い・・・が、無駄な動き多過ぎる」


「え?」


「それでは、試合の球は捌けないぞ」


「試合の球?」

戸坂の質問にカズは僕を呼ぶ事で答えた。


「おいヒロ!面倒くせー!最初から試合の球を頼む!」


「お前さー、ゆっくり段階を踏もうと思ってたのに・・しゃーねーなー・・・おい、ケン!」


僕がケンを呼ぶと、察しが良いケンは既に軽い投球練習を終えていた。