夏のカケラ

監督はそう言って、ベンチに腰掛けた。


しゃーねーか。

「よし、戸坂。お前ポジションはどこだ?」

僕はバットを持った。

「ショートっス!」

戸坂が言うと、カズが耳を立てた。

「よし、ニワトリ頭!カズに勝ったらレギュラーにしてやるぞ!」

監督は笑いながら言う。

「だってさ、カズ」

僕はカズを呼んだ。


カズは、フフフと不気味な笑みを浮かべグローブを持った。

「マジっすか?約束しましたよ!」

戸坂は笑いながらグローブを持つ。

カズはゆっくりグランドに入り、戸坂の前に立つ。


「小僧め、儂に勝てると思うのか!」