八田は筋トレルームを出ると、思わず泣いてしまった。

年を取ると涙脆く成る。

・・・大丈夫だ・・・

あの子達なら、何が起きても、きっと笑顔で夏を終える事が出来る。

将来、必ず今の事が役に立つ。

校舎の方に入ると、桜川が立っていた。

「桜川・・・」

八田がそう言うと、桜川が笑う。

「・・・こっちまで・・熱く成るだろ?」

桜川が笑いながら言った。

八田も笑って頷く。

「だから・・余計に抑えないとダメなんだよな・・・アイツらを・・」

桜川の言葉に八田が頷く。

「ああ・・・そうだな」

桜川はそれだけ言うと、去って行った・・・