夏のカケラ

「監督」

桜川が職員室に戻ると、七瀬がやって来た。

「部費の計算が終わりました」

「おう、ご苦労さん」

七瀬の計算は確かだ。

この子は頭が良い。

桜川が部費のノートを受け取った後も七瀬は佇んでいる。


「どうした?」

「言ったらダメ・・・なんですか?試合の事・・・」


七瀬が桜川の顔をマジマジと見る。

桜川は笑う。

「ああ、内緒にしておいてくれ」

「でも、みんな二軍と思ってますよ?」

七瀬は少し呆れた様に言う。


「良いんだ・・・今のアイツらには、相手が完全に正規メンバーと言ってしまうと、やる気が無くなる恐れが有るんだよ」