夏のカケラ

「そうだな・・・負けたら、走って帰る!ってのはどうだ?」


「えー?!」

みんなが嫌そうな顔をした。

「結構距離有るぞ!」

アキラが言う。


「でも・・・生野学園の奴らはこの辺まで走りに来てたぞ」

僕が一年生の頃を思い出した。

全員が押し黙る。

「・・・そうなのか?」

カズが唸る様に聞いた。

僕がその言葉に頷くと、みんなが溜め息をつく。

「しゃーねーな・・・」

「要は負けなければ良いんだよな」

「やるか?」

口々に言い出した。


「っしゃー!全勝するぞー!!」


アキラの叫びが、春の夜に響いた・・・