夏のカケラ

「あ、すいません・・」


第二用具箱には・・・僕らのグローブやバットが仕舞われていた。

僕らが勝手にボールを使って練習しない様に監督が預かっていたのだ。


「ただし!・・」


監督は喜んで抱き合っている、僕らを見た。


「一つ条件がある!」


そう言うと僕らを睨みつけた。

僕らは緊張して、生唾を飲み込んだ。

監督はしばらく、僕らを見た後、ニヤッと笑い、


「修学旅行を・・ちゃんと楽しめ・・!」






翌日から、僕らのテンションは上がった。

これが終わればボールを触れる・・・

その思いが僕らの気持ちを明るくしたのであった・・・