夏のカケラ

僕らはすいません、と言ってミカンを食べ出した。

小川先生はまだ、笑ってる。


監督は、しばらく僕らを見ていたが観念した様に話し始めた。

「修学旅行明けに、話そうと思っていたが・・仕方無い・・」

そう言って、ポケットから鍵の束を取り出して、僕に渡した。


「第二用具箱の鍵だ」

「え?」


僕ら四人が顔を上げた。

第二用具箱には、僕らの大事な物が仕舞われている。


「解禁だ!」


その言葉に僕らは抱き合い叫んだ。


「やったぜ!!」

「しー!静かにしろ!」