夏のカケラ

「どこ、走るんだよ雪ばっかりだぜ」

アキラが呆れた様に僕に言う。

「廊下をダッシュするか?」

カズの案に、

「先生にしばかれる」

クロが首を振る。

僕らは居ても立ってもいられなかった。


アイツらが甲子園に出る・・・

僕らが四回もチャンスを逃した甲子園に・・・

焦っているのが分かった。

修学旅行なんか早く終われよ、と思っていた。

「あ〜もう、雪の中でも走るか?」

アキラがヤケに成る。

「行くか?」

僕が言うと、みんなが頷く。


その時、僕らの部屋の襖が開いた。