夏のカケラ

翌日、桜川は職員室で目を閉じていた。

昨日の惨敗で何人が、生き残れるか・・・

昨日は冷たく突き放した。


敢えて、そうした。


結局・・・

甲子園を本気で目指すには、自分達で立ち上がらなければならない。

指導者が何を言っても、ダメだ。


ただ・・・

昨日の惨敗は、高校生には酷いかもしれない。

だから脱落者がいても、仕方が無い・・・


ひょっとして、全員かも知れない・・・


そう思い、桜川はゆっくりと立ち上がり、外を見た。

今日もまた、朝から雨が降っている。