夏のカケラ

「ここで、時間を掛けてもダメだから、桜川監督!それで良いですね?」

桜川監督が僕を見る。

僕の中のざわつきが、頂点に来た。


「待って下さい!」


僕の叫びが響く。

全員が僕を見た。


「僕らは・・・辞めません!」


その言葉に鬼塚監督は、笑顔が消えた。


「続けます」


僕はそう言い放つと、みんなを向き直り叫んだ。


「守備につけ!!まだワンナウトだ!」

「オウ!!!」


僕の叫びに、みんな大きな声で応える。

「・・一ノ瀬君、君は聞いていたかね?私の話を?」

鬼塚監督の顔はもう笑っていない。