夏のカケラ

一年生はただ下を向いて何も言わない。

柴原さんは僕の横で黙っていた。

「・・・でも、それじゃあ前と同じ様に一点も取る事が出来ないチームに成るんだぞ・・・」

監督は自分の爪を触りながら呟いた。

僕はそれを遠くから見ているだけだ。


「・・・俺達は、別に公式戦で上位に行く為に野球をしている訳じゃない・・・!」


山本さんが呟いて、更に続けた。


「監督・・・、あなたは名門校にいたから分からないと思いますが、世の中には甲子園を目指すだけじゃ無い・・・ただ単に野球をしたい高校生もいるんです・・・!」


監督はチラリと山本さんを見た。

山本さんは握り拳を固め、