夏のカケラ

監督が僕を見たので、僕はすぐに、プロテクターとレガース、マスクと言ったフル装備をした。


山本さんとクロが不思議そうに見ている。


「緒方、マウンドから投げてみろ!」


緒方は怖ず怖ずとマウンドに立つ。

僕はホームにしゃがみ、投げやすい様に大きく構えた。

緒方はゆっくり振りかぶって、投げて来た。・・・が、ワンバウンドで僕のミットに入る。

「緒方!バックホームの要領で良い!」

僕が叫ぶと監督も頷いた。

緒方は今度は、肩の力が抜けた様に投げる・・・



その瞬間であった・・・・!



またもや僕の回りはゆっくり動き出した。



来た!



この感覚!