夏のカケラ

テストが始まる。


近藤さんは無難な球を投げて来る。


次に角田だ。


僕がキャッチャーに行った。


角田の球は遅かった。


まあ、元補欠だから仕方が無いか・・・


そう思っていた時、ふと有ることに気が付いた。


僕は振り返って、監督を見た。


監督も驚いた表情で僕に頷いている。


「角田!変化球を投げれるか?」


監督が叫んだ。


「はい」


そう言って、カーブを投げて来た。


殆ど真っすぐのボールが僕のミットに入る。


先輩達は笑っていたが、僕は驚いていた。