夏のカケラ

「今からポジションを決めるテストをする」


そう言って来た。


みんなが顔を見合わせる。


「全員参加だ。それで全てのレギュラーも決定する」


三年生が明ら様に不快な顔をした。


当然だ。


ウチの野球部のレギュラーは年功序列なのだ。


でも、僕はチャンスだと思った。


このままでは、キャプテンの山本さんがいる限りレギュラーに成れ無い。


「最初は守備だ!全員希望のポジションにつけ!」


僕らは散らばった。


キャッチャーは山本さんと僕とクロだった。


ピッチャーには、近藤さんと新入部員の角田宗雄がいた。