夏のカケラ

監督が手を叩いた。


先輩達が沸き出した。


だが、次のバッターの太田さんは、スクイズに失敗した。


ツーアウト。


みんな一瞬、期待したが又ベンチが盛下がる。


もう、声が全く出ていない。


完全に帰り支度を始める形になっていた。


やっと僕の出番だ。


僕はゆっくりバッターボックスに向かう。


バッターボックスに入り、ベースをバットで触り足場を慣らした。


監督は笑顔だ。


何だあの人は・・・


出塁しているアキラとカズが僕に声を掛けている。


ベンチでは、近藤さんだけが声を出している。