夏のカケラ

アキラは絶対に打つ。


アイツは一番ウチのチームでセンスが有るんだ。

アキラは初級を見送り、二球目、甘い球を見事左中間を破る二塁打を打った。


僕らが沸く。


他の先輩達がア然としている。

次のバッターはカズだ。

カズは打席に立つと大きく構えた。


僕はカズが何をしようとしているか、すぐに分かった。

その時、監督も呟いた。


「ほう、良い作戦だ」


この人・・・流石だ。


ピッチャーがボールを投げた。カズはセーフティーバントをした。

ボールは深く守っていた、ファースト方向へ転がる。

ファーストは急いで前に出て来たがお手玉をして、セーフに成った。

ワンナウト、一、三塁。