夏のカケラ

そして、監督は又顔を動かして、カズを見た。



「ショート、水谷に代わって三井行け!」

「了解!!」



カズが嬉しそうにグランドに出て行く。


そして、最後に僕の顔を見た。



僕の心臓は鼓動が速く成る。



来い・・・



来いよ・・・!



胸が高鳴る。



呼べ・・・



俺はやれる・・・



だから・・・



俺の名前を呼んでくれ・・・!



僕は心の中で呟いた。


監督は僕の顔を見つめ、ニヤッと笑った。



来る・・・!






「キャッチャー、山本に代わって一ノ瀬!」






来た!






「ハイッ!!!!」




僕はありったけの声で返事した。